「歌で抱きしめる」ことを体現したような 肌触りの良い歌声に包まれた夜

お客さまのライブレポート
12.25 chihiRo-Decoy
「Jenga」 Tour Christmas special in Osaka

“当たり前にライブに集まれること” がこんなにも当たり前じゃなく貴重になるなんて、今更ながら思っても見なかった2020年──

そんな今年の締め括りとなる貴重なリアルライブが、待ちに待ってたジルデコ:chihiRoさんのソロプロジェクト・アルバム『Jenga』のリリースツアーで、今年もまた (前年までのBand Setでの出演とは違えども) クリスマス・タイムに大好きなMister Kelly’sでライブを観れたことが、、、なにより “演って当たり前” と言えない情勢のなかでも chihiRoさんが来阪してくれて、予定どおりに今回のライブを開催してくれたことが心底嬉しかった。

そして、久々に生で聴いたchihiRoさんの歌はやはり “絶品” の一言!
声の響きはいつもながらに伸びやかで美しく、それでいて等身大の言葉を語るように唄う歌唱表現や、そうして届いてくる歌声の感触や包容力には、ジルデコのフロントとして聴くボーカルとはまた別の感覚野をくすぐられるような印象を持った。

それはアルバム『Jenga』を初めて聴いた時からソロシンガーとしての彼女の歌声に抱いた “肌触りの良さ” みたいな感覚でもあり、こうしてライブで間近で聴いてその印象はより鮮烈なものに。
聴き手の日常や感情、思い出や心象風景などにそっと寄り添い、やわらかく包んでくれるようなこの肌触りの良い歌── 折々にchihiRoさんが語っておられる、ボーカリストとして自分の “歌で抱きしめる” とはこういうことなんだろうなと身を以て実感できた。

今回のステージはchhiRoさんと、ジャズピアニストの杉山悟史さんとのDUO編成で。アルバム音源とは異なる歌と鍵盤のみのアンサンブルと、センスが光る杉山さんのピアノアレンジにより、楽曲から伝わる表情や温度感みたいなものにまた新たな気付きも得られたり。

そのうえでさらに、Mister Kelly’sの素晴らしい音響や音場も重なって…
クリスマスの夜をしっとりと彩る「Christmas Time Is Here」や「The Christmas Song」、またアルバム曲でいえば「恋人」や「Homecomming」などの美しいバラードを目を閉じて聴いていると、まるで粒子となった音が光のシャワーみたいに天から降ってくるようで、その心地良さは至福そのものだった。

また、リアルライブだからこその、音楽を共有する以外のさまざまなファクターも…
それはMCをはじめ、ツアー先ならではのご当地エピソードや、他愛のないお喋り、客席とのコミュニケーション、あるいは予想だにしなかったステージ上の展開や、不意に起こるハプニングだったり…
例えば歌詞を間違えても、MCで噛み倒しても、ピアノとの絡みがリハ通りに行かなくても、時短営業を慮って駆け足で喋ろうとするあまり却ってトーク内容がグダついてしまっても…笑
そんな この日、この時、この場所でしか味わえないライブならではのsomethingも愛おしかった。

「やっぱりリアルライブは最高だ」
「逢いたかった人に会えるのはこんなにも嬉しいんだ」

わかりきっていて “当たり前” すぎる感想だけれど、そんな2020年の集大成的な幸せを心から実感させてもらえた一夜となった。

〈LIVE ACT〉
chihiRo-Decoy (Vo) from JiLL-Decoy association
杉山 悟史 (Pf,Key)

投稿者 OKA-P さん